ボッテガ・ヴェネタジャパン代表取締役社長 竹林氏によるLiveゲスト講演会を開催致しました


初のLive開催となった外部ゲストスピーカー講演について、今回もインターンとして活躍中の本木ふらのさん(大学3年生)が内容を分かりやすくまとめてくれましたので、ご紹介します。

2021年2月27日にGCA初となる対面でのゲストスピーカー講演会が京都にて開催されました。今回のゲストは竹林朋毅氏。誰もが知る有名ブランドであるBottega Venetaの日本法人にて代表取締役社長をされております。今回はお忙しい中、東京からお越しいただきました。GCA代表の金沢さんがKeringグループ時代に大変お世話になった大の恩人で、地球上で最も尊敬されている方ということもあり、なかなかお会いすることのできないスペシャルゲストですのでGCA受講者だけでなく参加者全員がこの日を待ちわびていました。

今回はGCA現役受講者に加え、招待された大学生や社会人含め約20名が集まり、それぞれのキャリアを考えるだけでなく、今の時代にどのような人材が求められているか、ここでしか聞けない非常に貴重な講演会となりました。そして、今回は初の試みとなるInstagramでのライブ配信、さらには取材もしていただき盛りだくさんの内容となりました。

今回の講演内容は、「次世代に求められるリーダーシップ」とは何か。ゲストの方から約‪1時‬間お話を頂き、その後のQ&Aセッションは時間が足りないほど大いに盛り上がりました。‬‬

まず始めに竹林さんの経歴から簡単にご紹介したいと思います。幼少期をイギリス、アメリカで過ごし、中・高はアメリカンスクール、そしてテンプル大学卒業後はPwCやGEにてファイナンスの経験を積まれました。その後、仏INSEADにてMBAを取得された後にはマッキンゼー&カンパニーのニューヨーク本社にて経営コンサルタントとして活躍。帰国後にファッション業界に転職されてからはケイト・スペード ジャパンの取締役副社長を経て、現在Bottega Veneta Japan & GuamのCEOとしてご活躍されています。

今回の講演で重要となるキーワードの「リーダーシップ」を竹林さんはどのように解釈されているのか。「ビジョンを明確にして、個人やチームに対して行動を促し、目的達成へ導く力」だと定義して下さいました。具体的に言うと、管理職などの上の立場に関係なく、誰でも発揮できるもの。生まれ持ったものだと思われがちだが、訓練を通して強化できるスキルであること。そして地位ではなく、責任を伴うもの。さらには時代の変化と共に進化し続けるものであるとお話しされました。

では、そもそもなぜリーダーシップを題材にした講演なのか。それはポジション関係なく、誰でも発揮できるもの、そして今回は参加者の9割が学生ということで、今後の時代を背負う若者にぜひリーダーシップを意識して欲しいという竹林さんの思いからです。

そこから掘り下げ、日本の現状を知るために私たちにこんな質問をされました。「日本は先進国か、後進国か」。多くの人は先進国と心の中で答えたでしょう。食べ物にも困らず、資源豊富な日本が後進国なはずがないと。しかし、本当にそうなのか。竹林さんはこの答えを決定づけるいくつかの根拠をお話して下さいました。ソフトバンクのCEOである孫さんを例に挙げ、彼の日本に対する発言である「日本はAI後進国」「衰退産業にしがみついている」「このままでは日本はまずい」や、世界競争力ランキングの順位は下降傾向であり、日本の労働生産性はG7の先進国の中で最下位、といったデータから日本は立ち位置が低下している事実、また世界と比べてAI導入や女性の社会進出など遅れを取っていることが見て分かりました。

日本はそのような状況にも関わらず、危機感を持っている人が非常に少ないと竹林さんは仰います。ではなぜなのか。その原因の一つはメディアにあると竹林さんは言います。理由は3点あり、まず1点目に海外と比べて日本は地上波無料放送が圧倒的に少ないこと。日本は民放が無料なので広告宣伝費で成り立ち、視聴率が重要になってくるためお笑いや食べ物関連の内容が多く、他国の情報を取り入れている番組はほぼないということ。2点目に、私たちが普段見ている番組は日本を称賛しているのが多いということ。危機感が希薄になり、他国に目を向けない理由であると言います。そして3点目に、近年朝日新聞でも国際報道の記事数が右肩下がりであるということ。

これらの点も踏まえて、ここ2,3年で起きた世界事情をいくつ知っているか。シリア・トルコ戦争、#Me Too運動、BLACK LIVES MATTERなど聞いたことはあるがなぜ起こったのか、背景なども含めて話せる人が日本でどれほどいるのだろうか、と参加者に問いかけました。海外の学生は海外事情の重要さや背景など話すことができるが日本では理解している人が非常に少ない。

こんな状況だからこそ、今の日本には「リーダーシップ」が必要だと。リーダーシップを持てば、ピンチをチャンスに変えることができる。人と違う目線を持ち、ビジョンを持ち、他を凌駕する行動が取れれば、その他大勢から抜きん出る事が出来る。そして彼らが先導すれば組織が成長し、そういう組織も増えれば国としての力も増していく。そのために、特にこれからの日本の将来を担っていく若い世代が「リーダーシップ」を培うことが必要だと仰います。皆さんには、世界で通用する人材になって欲しい。仮に世界に出る事に興味が無かったとしても、世界レベルで通用すれば、間違いなく日本でも活躍できる。

では、具体的に「リーダーシップ」を培うために何ができるのか。竹林さんは大きく分けて5つのポイントについてお話しして下さいました。

1. 「気づく力」
まず、人に言われる前に自分で気づくこと。そのために、世界で何が起きているか常にアンテナを張る。例えば、電車内でスマホに夢中になるのではなく、顔を上げて周りを見渡すことで何かに気づき、新たな発見がある。そして、2つ目にスマホやテレビではない違う情報源に目を向けること。雑誌や海外のメディアを活用することで違った切り口での表現から学ぶものがある。3つ目に、クリティカル・シンキングを養うこと。全ての情報を鵜呑みにするのではなく、懐疑心をもって、自分ならどうするだろうかと考える。最後に、ネットワーキングを自ら求める。様々な価値観やバックグラウンドを持った人に自ら出会い話すことで気づく力が養われる。

2. 「英語力」
今の時代マストになるスキル。英語ができると国外の情報源にアクセスすることができ、さらに海外の人と話せば視野が広がる。そして様々な国の人と接し、刺激を受ける。英語が話せることにより、チャンスも広げることができる。

3. 「コミュニケーション力」
ビジョンを持っていても大きな目標を達成するには他者の力が必要であり、そのためにコミュニケーション力は不可欠。説得や同意を求めるために人を動かす力が重要である、と。ここで鍵となるのがロジカル・シンキング。明確に順序立てて話されると内容が理解しやすいし、腹落ちしやすい。日頃から頭の中で整理しながら話すと身に付くスキルである。またプレゼン力も非常に重要で、とにかく場数を踏むことがプレゼン力を身に付ける為の一番の近道である。また最後に、意見を主張する勇気を持つこと。自分は若手だから…などと考える人が多いため、勇気を出し発言することでそれがコミュニケーション力に繋がる。

4.「人間力」
どんなに頭が良くても、人間的に嫌な人は成功しない。「人たらし」になることはとても重要。また、EMPATHY(共感力)を身につけること。誰かに自分を重ねてその人のシチュエーションや感情を理解しようとする。さらに、IQよりEQを意識すること。近年は好奇心、強調性、コミュニケーション力などの心の知能指数が重要である。最後に、他社のためにEXTRA MILEを怠らないこと。自分がやったことは後になって返ってくるので誰かのためにしてあげることの一歩先のことができる努力を続けること。

5.「キャリアは自分で構築」
成功している人に共通していることは自分の道を自分で切り開いているということ。そのために自分のキャリアに貪欲さを持つ。そして自分の存在感をアピールし、他者と自身を差別化する。そのための無駄な謙虚さは不必要で、待ちではなく、攻めの姿勢をとること。

また併せて、「日本人は働きすぎなのではないか」と言われている点について竹林さんはデータを基にこうお話されました。中国や韓国と比べても日本は週別労働時間が圧倒的に短い。しかし、日本では「過労死」や「働き方改革」などというワードが目立つ。
若い頃のハードワークで築いた対人関係などが第一線で活躍する人の財産になったと自負する人も多い。また、「働らかずに豊かさを手に入れる事が出来るのか?」という意見にも触れ、若いうちは体力もあるという点から猛烈に働いてもいいのではないか、そしてそれが将来にプラスに繋がるのではないかと仰います。

これらの点も踏まえ、今から若い世代がリーダーシップを培うことを意識して行動する事で、今後の日本を変えてゆけるはず、と締めくくられました。

セッション後は、事前に募集した質問と共に、質問者それぞれがなぜその質問をしようと思ったのかを説明しながら行う、アクティブなQ&Aの時間になりました。そして、他の参加者からの質問含め、時間が足りなくなるほど盛り沢山かつ収穫が非常に多い90分となりました。

ここで、全参加者からの感想をまとめたものを紹介します。
今回は対面だけでなく、ライブ配信で視聴された方々からも絶賛でしたのでそちらも併せて紹介します。今回のキーワードである「リーダーシップ」を身につけるために教えて頂いた内容を活かしたいという声と共に、今まで意識していなかった日本の現状についても多数の反響がありました。

■講演の感想
日本が今現在置かれている現状がよく分かり、リーダーシップの重要性について考えるいい機会になりました。人の上に立つ人物には頭の良さや知識の豊富さに加えて、高い共感力やエキストラマインドを持つことが大切だと痛感したと共に、元々日本に対して感じていたことが、竹林さんが言葉にして具体的な事例や説明、そしてご自身の体験談を加えて下さり、改めて日本に対しての危機感が深まりました。今の日本に満足せずに、社会に出る際には日本の社会を発展させてゆけるような職につきたいと改めて思わせていただきました。普段何気なく側にあるメディアが与える影響について考える機会がない為、大変興味深かったです。
“自分より優秀な人間で周りを囲める”ということを仰っていましたが、まさにGCAはその言葉がすごく合うコミュニティだな、と感じたと共に、環境がいかに大切かということを改めて感じることができた時間でした。大きな夢を持つことでそれが自身の行動にも繋がり、ハードルが高く感じるようなことであっても努力する自信にも繋がることが分かりました。

また、竹林さんご自身についても様々な感想がありました。
竹林さんは人としてとても尊敬できる方だという印象を強く受け、その人間力が成功につながっていると思いました。また、目標に向かって全力で楽しんで進んで行くからこそ、今の竹林さんがいるのだと感じました。どんな仕事についても、「人間としていいやつ」であり続けたいです。

稚拙な質問にもご自身の経験を踏まえながら一つひとつ丁寧に、的確に答えてくださり、その答えから自身の経験と重ね合わせたり、今後できることを考えたりと良い刺激になりました。

社会人の方からこんな声も頂きました。
大学生向けの内容と聞いていましたが、個人事業主として働いている私にもとても興味深い内容でした。 社長自ら今までの経歴や経験、どのようにして今の立場までこられたのか、そしてこれからはどんな人材が求められるのか、短い時間の中でこれらを要約し理解しやすく話されていて素晴らしかったです。

■今後に活かしたいこと、印象的なこと
講演を聞いていつか自分もリーダーシップを持ち、周りの人に影響を与え、巻き込める力をつけたいと感じました。日本の危機感は頭の片隅にありましたが、改めて痛感したと共に、その中でぬくぬくしている自分自身にも危機感を覚えました。日本のニュースや電車内の広告を見る機会を増やし、情報を得て、物事を客観的に見るために色々なことにアンテナを張り巡らせて生活していこうと決心しました。

リーダーシップを取れるような人材になる為には何を実践したら良いのかを、ポイントに分けて箇条書きにして下さっていたので、そのまま実践出来ている事には○を出来ていない事には×を付けていきました。×の部分を実践すればいいと分かったので非常に明確に今後の目標を見つける事が出来ました。具体的に積極的に発言したり、人とどう関わるか以前に、まず自分自身がどうあるべきかを見つめ直したいと思いました。

キャリアについても、今後は先を見据えたキャリア作りをしていこうという声が多数ありました。
「自分のキャリアは自分で築く」という言葉が印象的で、その為に自ら動き、行動してキャリアを築く必要性がある事が分かり、今後意識していきたいと感じました。将来の夢や自分のやりたいことがはっきりしていない人も、ざっくりと目標を持つことで自分の行動に大きな違いが出てくると学んだので、自分の大きな目標について真剣に考えていこうという意気込みがありました。

さらに、人間力がいかに大事かと言うことを改めて認識しました。一見意識すれば誰にでも出来そうなことですが、意識して実践している人のみが上にあがっていくことを実感しました。言われてみれば上にいる人は、他者を気遣い、細かいケアを怠っていないと思いました。

次回、また機会があればボッテガヴェネタというブランドについても、是非お話を伺いたいという声もありました。

今まであまり明確に意識してこなかった「リーダーシップ」というキーワードからの学びが非常に多い機会となりました。今後は、私達一人ひとりがキャリアを考え、将来を見据えながら今できることを実践していこうと思います。竹林さん、お忙しい中本当にありがとうございました。(聴講生一同)

記 本木ふらの