ペルノ・リカール仏本社 ブランドディレクター森本俊樹氏によるLiveゲスト講演会を開催致しました


ペルノ・リカール仏本社
ブランドディレクター 森本俊樹氏


第一線でご活躍中の超一流ゲストだけをお迎えしてLive開催するゲストスピーカー講演会、第二回目はペルノ・リカール仏本社ブランドディレクターの森本俊樹氏をお招きし、その一部始終をインターンとして活躍中の松崎加奈さん(大学4年生)が内容を分かりやすくまとめてくれましたので、ご紹介します。

2021年7月31日、森本俊樹氏をお迎えし、京都にて講演会が開催されました。
森本さんは、マーケティング職として日本でトップクラスの実力の持ち主で、これまで数多くの企業で、その実力を遺憾なくなく発揮されてきました。森本さんは大変お忙しい方ですが、元LVMHグループ時代の同僚で、今もご友人である金沢さんの頼みであればと、今回はこの講演会の為だけに、東京からお越しくださいました。

そんな貴重なお時間をいただいた今回の講演会は、コロナウイルスの影響もあり、対面&リモートのハイブリッド形式で行いました。今回も、前回の講演会に引き続き、前半で講演、そして後半にQ&Aという流れで開催しました。
ご講演頂いた概要として、まず前半は森本さんご自身のキャリアも踏まえて①マーケティングとは何か、②キャリア構築、という2つのテーマについてご講演いただきました。
そして続く後半ではQ&Aセッションの時間を設け、GCA受講生から寄せられた沢山の質問に対して、森本さんのこれまでのご経験や人生観を踏まえた上での貴重なアドバイスを頂きました。とても学びになる素敵なお話を時間の許す限りして頂きましたので、一部抜粋してご紹介させて頂きます。

講演会内容を一部ご紹介
 (1) 森本氏のご経歴
 (2) マーケティングとは何か – 講演第一部
 (3) キャリア形成について – 講演第二部
 (4) Q&Aセッション
 (5) 感想
 (6) さいごに

(1) 森本氏のご経歴
 2006年 P&G 入社
 2013年 楽天 入社 特別プロジェクト参画
 2014年 LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)入社
 2019年 リシュモンジャパン入社
      Montblanc Marketing Vice President 就任
 2021年 ペルノ・リカール フランス本社
      “季の美”ブランドディレクター就任

(2) マーケティングとは何か – 講演第一部

マーケティング後進国の日本。今後ますます重要視されるマーケティングに関して理解を深めていくべく、まずは “マーケティングとは何か”という基礎的な概念からお教えいただきました。

► 優れたブランドは、なぜ優れているのか?
優れたブランドは、もれなく顧客の“Job(片付けるべき仕事・悩み)”を解決している。言い換えれば、顧客は、優れたブランドを雇うことで、自身の“Job”を解決している。

► マーケティングとは?
Jobの発見と解決に至る一連のプロセスこそが、「マーケティング」である。つまり、Jobの発見から解決に至る包括的なプロセスそのものが、マーケティング活動と言える。

► マーケティング=経営戦略
マーケティングとは、顧客のJobを解決するために考えるプロセスであり、それは “経営戦略” とイコールであると言える。企業が持つ限りある資源を、いかに効果的に利用し、目的を達成するか。最終的な目的を最速で達成するために、マーケティングを行う(経営戦略を練る)のである。ゆえにブランドビジネスに限らず、“マーケティング” は、目的を達成するうえで常に有効的な戦略となる。

► マーケティング入門
マーケティングの基礎としては、主に4つの要素で構成されている。まずは ①現状分析を行い、その結果を元に ②Who(誰に対して) ③What(何を) ④How(どうやって目的を達成するのか)を考えていく。
※これら4つの要素の中でも、今回は特にマーケティングの第一歩である “①現状分析” に焦点を当てて、ご説明いただきました。

①の現状分析は、Company(自社資源)Consumer(消費者/顧客)Competitor(競合他社)Community(コミュニティ)Customer(取引先)の5C modelから成る。
※この記事では、ご説明いただいた5C modelの中でも、“Competitor(競合他社)に関する現状分析により結果を出した事例” をご紹介します。

〈 東京ディズニーランドの事例 〉
“東京ディズニーランドの競合他社” はどこか。真っ先に思い浮かぶのは、言わずと知れたUSJ(Universal Studio Japan)などのエンターテインメントパークである。しかし、同じく“時間を使う” ことを軸においた競合はどこか。それは例えば、ゲームセンター、旅行、塾(夏期講習)など、“自由な時間を奪い合う”という観点においては、どこも競合となる。「自分たちにとっての競合はどこか」を、既成概念に囚われず、徹底的に深堀りをすることによって、より効果的な戦略を練ることが出来る。

上記の “Competitor(競合他社)” に関する現状分析により結果を出した事例をはじめ、5Cから成る、自社に関わる現状分析を徹底的に行うことで、生み出せる結果は大きく変わる。

以上のように、講演第一部では、 “マーケティングとは何か“という基礎的な概念から解説頂き、普段の何気ない日常の中にはマーケティングの様々な要素が含まれていることを実例とともに学ばせていただきました。これを踏まえ、例えばCMを見るときでも、「なぜこのようなCMにしたのか?」と疑問を持ってみる。あらゆる事象に対し、「なぜ」を突き詰めて考えることで、今までとは全く違う世界の見え方ができるのだと、教わりました。

(3) キャリア形成について – 講演第二部

近年、日本では “個の時代” という言葉をよく耳にするほど、一昔前より遥かに、個人としての価値が問われる時代へと変化しました。個としての競争が激化する中、“価値の高いビジネスマン”とは、どのような人なのでしょうか。今回は、まさに “価値の高いビジネスマン”そのものである森本さんに、ご自身のこれまでのキャリアを絡めつつ、聴講生のキャリア形成をより良いものにする具体的なコツをお教えいただきました。

► “価値の高いビジネスマン” とは?
価値(存在理由・意義)の高いビジネスマンとは、プロフェッショナル(企業人)としての希少性・独自性の高い人物である。ゆえに個としての価値を高めるためには、他者との徹底的な差別化を図り、唯一無二の存在になる必要がある。

► Professional Value を上げるには?
Professional Value を上げるには、徹底的な差別化が必須となる。そして実際に差別化する要素としては、主にハードスキルとソフトスキルの2つに分けられる。ハードスキルとは、仕事として結果を出す(成果に導く)ためのスキル。そしてソフトスキルとは、直接的に仕事には関係ないが、個としての価値を高めるために必要なスキル。この2つをベースに、仕事をする中で多様なスキルを培ってこそ、企業人としての価値を高めることができる。

※ハードスキル 例:グローバルコミュニケーション能力、プロジェクトマネジメント能力
 ソフトスキル 例:多様性の尊重、部下の育成能力

► Professional Value を上げるコツ
コツは、“永続的な成長サイクル”を生み出すこと。具体的には、「事象 →経験 →振り返り →学び →成長」の繰り返しによって、個として成長するサイクルを回し続けることにある。詳細を説明すると、まず起こった事象を単なる出来事として捉えるのではなく、「なぜ起こったのか」というところに意識を向ける。意識を向けることで、単なる事象は経験になる。その経験を振り返り、分析することで一つの学びとなる。(さらに学びを他者に共有することで、記憶として定着し、より良い学びになる。)ここで得た学びを、また新たな場面で実践することで、成長に繋がる。
このように、起こっている事象に意識を向けるだけで、1の事象からでも10の事を学び取れるようになる。そして成長サイクルを繰り返すことで意識を高め、ポジティブサイクルに変えることにより、常に成長し続けることができる。

以上のように、講演第二部では、ビジネスマンとしての“価値”の定義から、個としての“価値”の高め方まで、森本さん独自のアドバイスをご教示いただきました。学生のうちから夢や目標を掲げ、それに向かって自分自身で成長サイクルを作り出すことで、新たな自分を創っていくのだと、お教えいただきました。

(4) Q&Aセッション

講演会後半の90分間では、GCA受講生からのリアルな質問に答えていただくQ&Aの時間を設けました。一つ一つの質問に対し、とても素敵なご回答をいただきましたので、一部を抜粋し、ご紹介します。

Q:学生時代から身に付けるべき力は何ですか?
A:「信頼できる人」を見つける力。
  膨大な情報に触れることが出来る現代では、「信頼できる人」を見つけることが重要。
  自分が今必要な情報を精査するためにも、信頼できる、情報源となる人間関係を築くことは、今後社会人になっても、大きく役立つ。

Q:森本さんにとっての「幸せ」の定義を、教えてください。
A:分かち合うこと。人は一人では生きていけないし、助け合って生きていく。
  周りの人たちと色んなことを分かち合うことが人生の醍醐味であり、「幸せ」な状態であると言える。

Q:大切にされている言葉は何ですか?
A: “What Moves You, Makes You.”(自分を突き動かすものこそ、明日の自分を創る)
  自分の心が揺さぶられることをきちんと自覚し、自分という人間を認識する。
  この言葉を思い描きながら、感動することに向かって、迷いを払拭し突き進んできた。

以上のように、Q&Aセッションでは、森本さんの価値観に基づく質問にも、多くお答えいただきました。
私たち学生にとって、プロとしての道を歩まれる森本さんの独自の価値観をご共有いただく時間は、非常に大きな刺激となりました。

(5) 感想

今回の講演会に参加してくれた学生から、「本当に良い学びになった」と、素敵な感想が沢山寄せられましたので、こちらも一部抜粋しご紹介します。

► 森本さんが教えて下さった「現状分析」を普段の生活、GCA、そして就職後も活かして物事を考えられたらと思いました。マーケティングにおける現状分析で挙げていただいた事例のように、イメージや先入観で物事を判断せず、疑問を深く問いただして、本当に必要とされているものを見つけることが大切だと実感しました。

► 講演会はすごく学びが多く、マーケティングに関しても重要なことを知ることができました。特に、“既成概念を超えて本当の意味で知る” ということが大切なのだな、と感じました。

► いろいろな広告やPRの裏にはどんな背景があるのか考えながら生活したいと思いました。また、他の人と徹底的に差別化して唯一無二の存在になるために5つの成長サイクルを意識して生活したいと思いました。

► 単に色々な活動に参加するだけでなく、目的や、“今自分が何をしないといけないか”などを意識しようと思いました。ただ活動に参加するだけでは、得られるものも少ないと気付かされました。

(6) 最後に

この度は、普段学生生活を送るうえでは確実に交わることのできない森本さんにご講演いただき、聴講生にとって大変貴重な、刺激のある時間となりました。講演を通して、様々な事象に対し意識を向けること。「なぜ」を突き詰める探求心が、いかに自分の価値を高めるか、そして人生を豊かにするか。森本さんのお話されるその姿勢からも、実感することが出来ました。今後生きていくうえで役に立つお話も沢山していただき、聴講生にとって、自分の人生を見つめ直す、そしてより良い人生を築くために考える、素晴らしい機会となりました。そして最後に、個人的にも、森本さんのように心の赴くままに何かを追求し、「楽しい」と思えることに全力に、生きていきたいと思いました。

森本さん、この度はお忙しい中、とても素敵なお時間をいただき、本当にありがとうございました!(聴講生一同)

記 松崎加奈